目次
保育士等キャリアアップ研修、令和8年度から何が変わる?
令和8年度(2026年度)より、区分3(旧・処遇改善加算Ⅱ)は完全実施となります。
- 副主任・専門リーダーは「4分野60時間」修了が必須
- 4月1日時点で修了していることが算定条件
- 研修修了見込み特例は終了
- 区分1のキャリアパス要件は完全義務化
未対応の場合、園の加算収入に直接影響します。
本記事では、制度の基礎から令和8年度の最新要件までを整理します。
令和7年度(2025年度)までの内容については、【令和7年度版】の記事をご確認ください!
保育士等キャリアアップ研修とは
保育士等キャリアアップ研修は、2017年(平成29年)4月より全国で開始された制度です。
目的は大きく3つあります。
- 保育士の専門性向上
- キャリアパスの明確化
- 処遇改善(賃金改善)
一定の経験を積んだ保育士が分野別研修を修了し、園内で役職発令を受けることで、処遇改善等加算の対象となります。
研修 → 役職 → 加算算定 → 賃金改善
という仕組みです。

処遇改善制度の全体像(2025年度一本化)
2025年度(令和7年度)より、従来の
- 処遇改善加算Ⅰ
- 処遇改善加算Ⅱ
- 処遇改善加算Ⅲ
は一本化され、「処遇改善等加算」へ再編されました。
現在は以下の3区分で構成されています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 区分1 | 基礎分(平均経験年数等) |
| 区分2 | 賃金改善分(全職員ベースアップ) |
| 区分3 | 質の向上分(旧加算Ⅱ) |
キャリアアップ研修と最も密接に関係するのが区分3(質の向上分)です。

令和8年度からの主な変更点
令和7年度は経過措置期間でしたが、令和8年度からは要件が完全適用されます。
4分野60時間が必須
令和7年度まで
→ 3分野(45時間)で算定可能
令和8年度以降
→ 4分野(60時間)修了が必須
未修了の場合、人数A(月額4万円相当)にカウントできません。
修了見込み特例の終了
令和7年度までは、4月1日時点で受講中(年度内修了予定)であれば人数カウント可能でした。
令和8年度からは
4月1日時点で修了していることが原則条件
になります。
区分1キャリアパス要件の完全義務化
これまで減算(−2%)で算定可能でしたが、
令和8年度以降は未達成の場合、区分1自体が算定不可となります。
役職ごとの要件(令和8年度基準)
区分3の算定対象となるには、研修修了+正式発令が必要です。
職務分野別リーダー(人数B)
- 対象:概ね経験年数3年以上
- 研修要件:担当1分野(15時間以上)
- 発令:分野別リーダーとして正式発令
- 加算:月額5,000円相当
専門リーダー(人数A)
- 対象:概ね経験年数7年以上
- 研修要件:4分野(60時間)修了
- 発令:専門リーダーとして正式発令
- 加算:月額40,000円相当
副主任保育士(人数A)
- 対象:概ね経験年数7年以上
- 研修要件:マネジメントを含む4分野(60時間)
- 発令:副主任として正式発令
- 加算:月額40,000円相当
区分3の加算額計算方法
上限人数の算出
- 人数A = 基礎職員数 × 1/3
- 人数B = 基礎職員数 × 1/5
実修了人数と比較
「上限人数」と「要件を満たす修了人数」を比較し、少ない方を採用します。
加算額算出式
(4万円 × 人数A)+(5,000円 × 人数B)
シミュレーション例
基礎職員数15名の園の場合
- 人数A上限:5名
- 人数B上限:3名
4分野修了者が3名の場合
4万円 × 3 = 120,000円/月
4分野修了者が5名の場合
4万円 × 5 = 200,000円/月
差額:80,000円/月
年間差額:約96万円
研修管理の有無が、経営収支に大きく影響します。
キャリアアップ研修の8分野
- 乳児保育
- 幼児教育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー対応
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
- マネジメント
- 保育実践
副主任・専門リーダーは、この中から4分野(60時間)を修了する必要があります。
分野の詳細はこちら8分野の解説記事で紹介しています。

よくある質問
Q1.保育士等キャリアアップ研修は4分野すべて必須ですか?
令和8年度以降、副主任保育士および専門リーダーは4分野(60時間)の修了が必須です。
Q2.4分野はどの組み合わせでも良いのですか?
原則として、8分野の中から自由に選択可能です。副主任保育士の場合はマネジメント研修を含む必要があります。
Q3.令和8年度は4月1日時点で修了していないとダメですか?
はい。令和8年度からは4月1日時点で修了していることが人数カウント条件です。
Q4.研修修了見込みでも加算配分はできますか?
算定人数としてはカウントできませんが、算定後の加算配分対象に含めることは可能です。
Q5.オンライン研修でも有効ですか?
都道府県が指定する研修機関であれば、オンライン研修でも有効です。
Q6.人数Aと人数Bの違いは何ですか?
人数Aは副主任・専門リーダー等で月額4万円相当。人数Bは職務分野別リーダー等で月額5,000円相当です。
Q7.4分野修了者が不足するとどうなりますか?
人数Aとしてカウントできる人数が減り、区分3の加算総額が減少します。
Q8.修了証は提出が必要ですか?
自治体提出義務はありませんが、監査対応・算定根拠として保管が必須です。
Q9.途中退職者が出た場合はどうなりますか?
算定時点(4月1日)の人数が基準となり、年度途中の変動は原則影響しません。
Q10.令和8年度に間に合わなかった場合はどうすればいいですか?
その年度の人数A算定は難しくなります。次年度に向けて受講計画を立てることが重要です。
令和8年度に向けて園がすべきこと
- 副主任候補の修了状況確認
- 不足分野の受講計画策定
- 修了証管理の徹底
- 就業規則・キャリアパス整備
まとめ
令和8年度は制度の完全実施年度です。
- 4分野60時間必須
- 4月1日時点修了
- 経過措置終了
今後は
研修管理=経営管理
という視点での対応が求められます。
早めの準備と計画的な受講を進めましょう。
さらに分かりやすくまとめた解説ページはこちらです!
参考資料
こども家庭庁
厚生労働省
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