保育士が辞める理由の第1位は「人間関係」|離職と採用難を生む構造的課題とは

お役立ち記事

保育士が転職・退職する理由のトップは、厚生労働省や民間調査でも一貫して「人間関係」が最多となっています。
多くの園が求人票に理念やビジョンを掲げていますが、求職者の視点では理念は“選ぶ決め手”になりにくいのが実情です。

その結果、保育士はまず 「職場の人間関係の良さ」を最重要視し、園を選ぶ傾向があります。
これは、保育現場が抱える離職問題・採用難の核心に位置するテーマです。

保育士の離職理由は「人間関係」が最多

理念よりも“人間関係の良さ”が重視される現実

多くの園が理念を掲げていますが、求職者にとって理念は“園の雰囲気を判断する材料”にはなっても、応募の決定打にはなりにくいという構造があります。

一方で、人間関係は日々のストレスに直結するため、
「安心して働ける環境かどうか」 が最も重要視されています。

現場で起きている人間関係のストレスの具体例

  • 園内のコミュニケーション不足
  • ミスに対する過度な責任追及
  • 新人が相談しづらい雰囲気
  • 年齢層・保育観の違いによる対立

これらはどの園にも起こり得る問題であり、離職に直結します。

深刻化する保育士不足 ― 全国で共通する課題

有効求人倍率3.78倍が示す採用難

こども家庭庁によると、2025年1月の保育士の有効求人倍率は 3.78倍
全職種平均の1.34倍を大きく上回り、極めて厳しい採用環境が続いています。

保育士登録者数と従事者数のギャップ(2024年12月時点)

区分人数
保育士登録者数約179万人
実際に働く保育士約68万人
潜在保育士約111万人

資格を持つ人は多いにも関わらず、現場に戻る人が少ないという“構造的課題”が存在しています。

潜在保育士が復帰しない理由

理由は明確です。

  • 給与・待遇への不安
  • 行事・書類業務などの過重負担
  • 保護者対応のプレッシャー
  • 小規模園特有の人間関係の密度の高さ

なかでも、人間関係の悪さは最も大きな離職理由であり、復職をためらわせる最大の要因です。

待遇だけでは解決しない「働きづらさ」

「給与を上げれば良い」「制度を整えれば解決する」
――そうした単純な問題ではありません。

現場の働きやすさには、
人間関係・対話文化・学びの仕組みといった、見えにくい要素が影響しています。

採用難の本質は「安心して働ける園の少なさ」

抽象的な求人が生む“差別化できない問題”

多くの求人には次のような表現が並びます。

  • 「アットホームな雰囲気」
  • 「笑顔あふれる園です」
  • 「仲の良い職員」

しかし、これらは抽象的でほとんど差別化ができません。
結果として、求職者は給与・通勤距離・休日数で園を比較することになります。

求職者が本当に知りたい情報とは

  • 実際の人間関係は?
  • 雰囲気はどんな感じ?
  • 働き方に柔軟性はある?
  • 新人のサポートは?
  • キャリアアップできる?

「リアルな情報」が求められています。

経営者と求職者の“価値観ギャップ”

経営側は「待遇は業界水準」と考えていても、
求職者は「人間関係・雰囲気・育成」の方が重要視しています。

このギャップが採用停滞の見えない原因となっています。

情報発信の不足が応募機会を減らしている

ホームページ・SNS・口コミの影響力

求職者の情報取得手段は、求人媒体だけではありません。

  • 園HP
  • SNS
  • YouTube
  • 口コミサイト

こうした情報で園の雰囲気が伝わらないと、
応募前に選択肢から外されるケースが増えます。

人間関係・育成制度の“見える化”の必要性

「どんな人が働いているか」
「職員がどんな想いで保育しているか」
「職場としてどんな支援があるか」

こうした実情を発信することで、応募者は安心して園を選べるようになります。

採用を前進させる4つのアクション(非営利視点)

① 園の理念と日々の実践を伝える

理念・保育観・日々の取り組みを具体的に示すことで、
求職者に園の“価値観”が伝わります。

② 働きやすい職場環境を整える

  • 業務負担の軽減
  • 対話の場の確保
  • 新人フォロー
  • 人間関係改善

日常の小さな改善が働き続けたい職場につながります。

③ 柔軟な働き方を取り入れる

子育て中の保育士やブランクのある人でも働きやすくなるような柔軟な制度は、復職促進にも効果的です。

④ 研修とキャリア形成の仕組みを整える

学びが継続できる仕組みは、“辞めない職場づくり”の要です。

まとめ|「人間関係の見える化」が人材確保の第一歩

保育士採用の成功は、給与や条件だけで決まりません。
人間関係の良さ、働きやすさ、学び続けられる環境が、応募・定着の最大の決め手となります。

  • 園の理念を丁寧に伝える
  • 職場の人間関係を“見える化”する
  • 働きやすい環境を整える
  • キャリアを描ける仕組みを整える

これらの取り組みが、園の魅力を高め、
潜在保育士も含めた人材確保につながっていきます。

人財育成協会の取り組み

東京都での集合研修(保育士等キャリアアップ研修)の実施

人財育成協会では、東京都の指定を受け、
保育士等キャリアアップ研修を 集合研修形式で継続的に実施 しています。

若手から中堅、主任・園長クラスまで、
保育現場で働く方が “対面で学び合える場” を提供し、
専門性向上や役割意識の醸成をサポートしています。

集合形式の研修では、

  • 同じ立場同士の学び合い
  • 現場の課題を共有する対話
  • 保育観の交流
    など、保育の質向上に繋がる貴重な機会が生まれています。

オンライン研修による学びの機会の拡大

集合研修だけでは参加が難しい方のために、
オンラインによる受講環境も整備し、
全国どこからでも学べる機会を広げています。

忙しい保育現場でも学びを止めないために、
時間・距離の制約を超えた“学びのアクセス向上”に取り組んでいます。

保育現場の課題解決に役立つ情報発信

研修で寄せられる声や、参加者が抱える悩みに基づき、
採用・育成・定着・マネジメントなど、
保育現場の課題に関する記事やコラムを公開しています。

  • 離職が起こる背景
  • 人間関係づくりの工夫
  • 働きやすい職場環境のヒント
  • 園内コミュニケーションの改善
  • 現場での成功・失敗の共有

といった内容を、現場視点でわかりやすく届けています。

保育者同士がつながる学び合いの場づくり

集合研修では対面の交流が生まれ、
オンライン研修でもチャットや意見共有を通じて、
“保育者同士のつながり” が育まれています。

人財育成協会は、こうした学び合い・支え合いの文化を大切にし、
保育者が孤立せず、仲間とともに成長していける環境づくりに取り組んでいます。

この記事を読んだ方におすすめ

人財育成協会の保育士等キャリアアップ研修について

人財育成協会では、保育士のキャリアアップに必要な7分野(「乳児保育」「幼児教育」「障害児保育」「食育・アレルギー」「保健衛生・安全対策」「保護者支援・子育て支援」「マネジメント」)の研修を、現場の保育士が参加しやすい形で提供しています。

人財育成協会の集合研修が選ばれる理由

  • 少人数制で質問しやすく、グループワークが充実
  • 50ページ以上のリッチテキスト付きで復習もしやすい
  • 研修修了証は即日発行で手続きの手間なし
  • 現場経験豊富な講師による実践的な内容

詳しい研修情報や申込方法については、研修案内ページをご覧ください。

保育士不足の時代だからこそ、一人ひとりの専門性を高め、働きがいを持って長く活躍できる環境づくりが重要です。当協会の研修は、人材育成の取り組みを強力にサポートします。

皆様の園の人材育成の成功を心より応援しています。

人財育成協会の保育士等キャリアアップ研修オンライン

全国で受講可能なオンライン研修の募集中です!

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募集状況はオンライン研修ページからご確認できます。

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